竹茶杓の基本的な扱い方 お茶の道具の話

 お茶の道具についてお問合わせをいただく機会が増えています。茶筅筒や茶巾筒、茶籠などに加えて、茶杓についても興味を持っていただく機会が増えているのが、最近の私にとっての新しい傾向です。

 

 これまで茶杓について記してきませんでしたが、茶道のお稽古をはじめられたばかりの方や、日常生活のなかでの茶の湯の時間、純粋に抹茶や和菓子をいただくことを楽しみたい方からのお尋ねもありますので、初歩的なところから茶杓の扱いについて記してゆきたいと考えています。

 

 今回はごく初歩的で、とくに実用的なこと、茶道の研鑽を積まれている方には当たり前すぎることからまず。

 

中節の茶杓では節より下を持ちます
中節の茶杓では節より下を持ちます

 上の写真は、基本となる茶杓の形である中節の茶杓を手に持っているところ。材質は古材の煤竹です。分かりやすいようにかなり下を持っています。

 

 名前の通り、茶杓の全長の中ほどに節を配したバランスのよい姿で、原則的には節の付近で重心をとるように削られています。(原則を踏まえて、中央よりもやや上、あるいはやや下に節を配するなどのアレンジが許されます)

 

 この節よりも下を手で持って扱うのが原則で、節より上は素手で触れてはいけないことになっています。筒から取り出す場合には、櫂先から滑り出すようにして、節から下だけを持ちます。

 

茶杓で抹茶を掬う際の持ちかたは
茶杓で抹茶を掬う際の持ちかたは

 抹茶を掬う際の持ちかたは、ちょうどペンを握るような形に。左手に棗などの茶器を持って、茶杓を持った右手を内側に傾けてお茶を掬い、戻して器にお茶を運ぶという手順です(詳しいお茶の扱いは、茶道のサイトや書籍をご参照ください)。

 

 お茶を掬ったあとの茶杓の表裏には細かな抹茶の粉末が残りますが、手で触ったり、器にコンコン当てて落としたりしてはいけません。濡れた布で拭く、水洗いするなどもNGで、上記のような扱いでは、余計にお茶が取れなくなったり、茶杓や器が痛む原因になります。

 

 水気、とくに温かいお湯からは遠ざけるべきで、熱に近づけると曲げた櫂先が戻ってしまう可能性があります。

 

 茶杓についた抹茶は、帛紗など専用の乾いた布で拭い取ります。普段づかいの場合には、柔らかいティッシュペーペーでも良いでしょう。このように乾いた柔らかい布(またはティッシュ)で拭くのが基本で、金属のスプーンなどとは異なり、水洗いしてピカピカに磨いたりはしません。あまり神経質にお茶を取ろうとせず、ある程度おおらかに用いたほうが失敗がないとおもいます。

 

 基本の扱いとしては「茶杓の節より下を持つ」「茶杓を濡らしたり熱に当てたりしない」といった点を押さえておくとよいのではないでしょうか。

 

 茶道の作法や心得であったり、細かいことについては書ききれませんし、正しい正しくないというややこしい話にもここでは関わりませんので、ひとまず初心の方への実用的な話をざっと。

 

 また機会を見つけて、茶杓を収める筒のことなど、少しずつ記してゆきます。