菓子切り「月雲」とストロベリームーン

煤竹の菓子切り「月雲」とその素材や道具
煤竹の菓子切り「月雲」とその素材や道具

 私の暮らす東京、関東地方は梅雨入りし、晴天の日の雲も夏らしいモクモクとした姿になってきました。梅雨の湿気はやや苦手ながら、この時期ならではの自然のエネルギーは心を揺さぶるものです。

 

 きょう、6月9日は満月。6月の満月はストロベリームーンとも呼ばれるそう。「◯◯ムーン」という呼び方は、ここ数年にわかに耳にするようになりましたね。

 

 名古屋のAnalogue Lifeで取り扱いいただいている、私の菓子切り「月雲」。しばらく在庫切れになっていましたが、ようやく新たに削り上がりまして、ほどなくお店へ納品できそうです。

 

 素材となる古材の煤竹が、百数十年のそれぞれの歴史の中で竹の面に描き出した濃淡のコントラストを、月と雲との景色に見立てた菓子切りです。今回の竹はそのコントラストの強めのもので、写真のような色あいになりました。

 

 一点ずつの景色に同じものはふたつとないところが、月と雲との関係に似て、そこが魅力でもあり、またつくるには難しいところでもあります。茶の湯の席と和菓子にはもちろん、夏の果物を召し上がるのにも。

 

 もともと数が少なく貴重な煤竹の、なかでもこのような景色の竹を手に入れるのは年々難しくなってきましたが、できるかぎり長く削りつづけたいと願いながら、ふさわしい竹を求めつづけています。