NYのメトロポリタン美術館で日本の竹工芸のコレクションが展示されています

 日本の竹工芸の作品が、米国のメトロポリタン美術館で半年以上にわたって展示されます。個人コレクターの蒐集品80点以上、日本でもなじみのある竹籠から造形的な作品まで、いずれも美術品として制作された品が並びます。展示タイトルは『Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection』

 

 昨年の夏から今年のはじめにかけては、オーストラリアはメルボルンのヴィクトリア国立美術館でも、やはり個人コレクターの蒐集品30点余りの竹工芸の展覧会が長期間にわたって催されたばかり。そちらの展覧会では私の作品も展示され、美術館のコレクションとして収蔵もされました。

 

 日本ではなかなか存在すら認知されない竹工芸(日用品とはべつの)の、海外での大々的な展覧会がつづきます。(本展覧会のオープニングでは、重要無形文化財の藤沼昇氏による実演や竹工芸家の田辺竹雲斎氏によるインスタレーションの制作も行われたとのこと)

 

 今回の展覧会においても、1880年代から現代までに制作された竹工芸の作品のうち、70点以上がコレクターの手からメトロポリタン美術館の収蔵品として新たに寄贈がなされるそうです。

 

 竹工芸は明治から昭和の戦前にかけてたいへん盛んになった日本の美術ですが、国内ではその市場や役割がほとんど消えてしまい、時代の古い作品から現代の作品まで、名品の多くがアメリカを中心とする欧米や、近年ではアジアのアートコレクターの蒐集対象となっています。(先日の雑誌『和樂』のように、竹工芸を取り上げてくださる雑誌などもありつつ)

 

 それらの蒐集品のうちの一部は、今回のメトロポリタン美術館や昨年のヴィクトリア国立美術館のように、個人から美術館へ寄贈され、ひきつづき保管がなされるといった流れもあります。私の作品が美術館の収蔵品となったのも、そうした流れがあればこそ。

 


 現代の日本においてはすでに使い道もなく、必ずしも大きな支持を得られるとは言いにくい、けれども日本独自の文化が、海を渡って数多くの異国において支持されることは、作家としてはありがたいことでもあり、同時にまた少々寂しいことでもあります。

 

 私個人は、以前より海外向けの作品制作ではなく、日本の中で求められる作品や、日用品、茶の湯の道具づくりに力を入れてきました。それらの仕事を望み通り国内で少しずつ認めていただけるようになってきたことは、たいへんありがたく、また恵まれているとおもいます。

 

 そうした私に与えられた役割・仕事をこれからも伸ばしてゆくことを中心にしつつも、竹工芸という文化や歴史の一端となりうるかもしれない自分についても、考え直してゆくべきかもしれない、などと考えたりもしています。

 

 

 少々、話がまじめになりすぎました。

 

 いずれにせよ、今回のような大きな展覧会が開催されるのは喜ばしいこと。NYまで展覧会を観るために渡航するのは私には難しいとおもいますが、半年間の展示について、日本から注目してゆきたいとおもいます。

 

 そして、私は私の仕事を、日々、一歩ずつ進めます。