三越カルチャーサロンでの旅茶杓講座を終えて

 7月になりました。今月はじめての催しとなる、日本橋三越百貨店カルチャーサロンでの、旅茶杓を削る講座が昨日開講し、3時間の講座をぶじに終えたところです。

 

 ありがたいことに定員を超えるお申し込みをいただき、少人数制ながらも賑やかな講座となりました。(ご参加いただけなかった方々には申し訳なく、いずれまたべつの機会を設けることができればと考えております)

 

 講座では、まずざっと茶杓の決まりごとや鑑賞のポイント、材となる煤竹のことや削りのコツについて座学でご説明をしました。失敗しやすい点についてと、美しいと感じる姿、棗などの茶器との合わせ方などもイラストをまじえつつ。

 

 その後、2時間半近くを実技の時間としました。ご参加くださった方々の作品を写真でご紹介しつつ、振り返ってみましょう。

 

ホワイトボードを用いつつ茶杓削りの座学から
ホワイトボードを用いつつ茶杓削りの座学から

時間をかけ、茶杓をやすりで削り出します。
時間をかけ、茶杓をやすりで削り出します。
上り節、丸櫂先の茶杓は端正な匙形に
上り節、丸櫂先の茶杓は端正な匙形に

やや手強く剣先と節の芽痕に見どころをもち、全体に暗褐色で存在感のある茶杓に
やや手強く剣先と節の芽痕に見どころをもち、全体に暗褐色で存在感のある茶杓に
節下、左右を染めわけたような煤竹の景色が美しく、優しい姿の茶杓となりました
節下、左右を染めわけたような煤竹の景色が美しく、優しい姿の茶杓となりました

黒味を帯び、鋭い剣先でスマートな茶杓
黒味を帯び、鋭い剣先でスマートな茶杓
若い男性のご参加者様は大らかな姿の茶杓
若い男性のご参加者様は大らかな姿の茶杓

 櫂先は丸形を選ばれる方が多く、ついで剣先形が人気。一文字に削られた方はいらっしゃいませんでした(写真を撮り忘れてしまった方々の作品も丸形でした)。順樋(本樋)と逆樋の人気は半々。十人十色のお好みを知るのも楽しいものですね。

 

 節の位置は寸法の小ささを考慮して、基本の中節からやや上り節とし、仕上げの段階でバランスを見ながらカット。

 

 講座のおしまいには、三越カルチャーサロンのご担当者様のご厚意で、茶碗や抹茶、茶筅もご用意いただき、削りたての茶杓でそれぞれに御自服を。作業に集中したあとの薄茶で気持ちがスッキリしました。(わたしは夢中になっているうちに、ご参加者の方に点てていただきまして、結構に頂戴いたしました。ありがとうございます)

 

枇杷色の茶杓は撓めもゆるやかで高貴な佇まい
枇杷色の茶杓は撓めもゆるやかで高貴な佇まい

 昨秋、茶道雑誌『なごみ』(淡交社)誌上で講師を務めさせていただいた際には、生徒役の方が一名だけでしたが、今回はじめての公開講座では何人ものご参加者様に同時に削っていただきました。

 

 時間内に全員が失敗なく完成させられるようにと、事前にあれこれ想定していた進行とは、実際には異なるその場に応じた成しようとなりましたが、結果は皆さんしっかり仕上げられて、講師としての務めを果たすことができ、ほっとひと安心しています。

 

 また、カルチャーサロンのご担当者様や、今回の企画をしてくださったW様には全面的にサポートいただき、長い歴史をもつ三越百貨店のサロンならではの、もてなしの奥行きを知ることができました。

 

 終了後の雑談において、次回の講座予定についてご質問やリクエストをいただきました。今回の講座は日本橋街大學という3ヶ月おきの単発での企画(7・8・9月が夏の講座)となりますので、もし同会場で次回があるとしても、それはしばらく先のことになろうかとおもいます。(もし私の講座についてリクエストがありましたら、三越百貨店のカルチャーサロンへお問い合わせくださいませ)

 

 また、べつな場からもご相談をいただいておりますが、具体的に日時や内容の決まっている企画はまだございません。今年は展示もみずから企画することを控えて制作に力を注ぐ方針は変わりませんので、またしばらく一人での時間を過ごすことになりますが、お声がけ頂いた中から実現する企画がありましたら、随時、こちらのブログとHP、SNS等にてお知らせをいたしますので、ひきつづきご注目いただけますと幸いです。

 

 このたびは、講座へのご参加、ご注目、応援など、皆様ありがとうございました。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。