七夕 菓子切り ささのはを削る

 七夕。よく晴れて暑い日でした。竹の仕事をしているだけに、七夕のお飾りなども念入りにおこなうかといえば、そのようなことはなく平日とおなじように仕事をして過ごしてしまいます。

 

 「ささのは」という名の、笹の葉をモチーフにした菓子切りを削るようになって、もう何年が経ったでしょうか。少しずつ形を微妙に変えながら定番として削りつづけています。

 

 素材の煤竹の景色や仕上げによって「月雲」「夕星」と、煤竹の菓子切りはいまは三種になり、菓子切りの削りから先へ進んで茶杓を削る時間もふえてきました。

 


 「ささのは」から生まれ出てきたそれらの仕事を経て、近ごろはまた原点の「ささのは」と向き合う時間も日々つくるようにしています。

 

 何年かまえ、ささのはを千本削るという目標を立てて、それを実際におこないました。当初の考えでは削り上がった暁にはその千本を並べる展示をしようと、密かに構想を描いていたのですが、削りためるよりも手を離れるペースが上回ってしまい、そのアイデアは幻になりました。

 

 いま、ささのはを削っていると言っても、また千本を削って展示をしようという考えはまったくありません。ただ、何かしら核となるものを決めて展示をしたい考えはいくつかあって、まだ不定形のそれが消えぬうちに形になることを願いながら、この菓子切りを仕上げた七夕です。