セミオーダーの竹籠づくり

 9月となり早くも一週間が過ぎようとしています。オーダー制作をしてこの夏にお納めをした手提げの竹籠を一点、本日は掲載したいと思います。


網代編みで密に編んだ手提げの籠です
網代編みで密に編んだ手提げの籠です

 私が連作している「散歩者の籠」を基に、寸法や細部の仕上げについて、より吟味をしながら手をかけて制作した籠となりました。

 

 当初は、酒器を収納するための蓋つきの「酒籠」について、お客様よりお問い合わせをいただきました。しかしながら、酒籠の場合には予算も高額となり、また納期も長期間をいただくことになります。お客様のお考えになっている使い方とも必ずしも一致しなかったため、蓋つきではなく手提げの形での制作をご提案いたしました。「散歩者の籠」を基に、マチを大きくとって、大事なご愛用の器を収めるにふさわしい細部の仕上げを施すことに。


内外二枚合わせの手をつけた籠
内外二枚合わせの手をつけた籠

 陶磁器の酒器を、器の保護のための布や仕覆に包まれた状態で収めることができる寸法とし、籠の外側の胴を補強する太い竹に加えて、底面に小さな足となる突起をつけて、より安全を図っています。

 

 竹を二枚合わせた手は細い籐で細密に編み上げて、補強と装飾を兼ねています。ふだんは文庫本やちょっとしたおやつを入れて散歩のお供にしていただこうという「散歩者の籠」ですが、ご愛用の器を収めるため、器の備える魅力を引き立てるにふさわしい籠となるよう努めました。籠の姿形についても通常とは少し異なる編み方をして、微妙な丸みや凹凸をもつような姿を目指しました。(写真ではまったく分からないとおもいます)

 

 一箇所をより上等の仕上げにしようとすると、他の箇所も同じ高さに引き上げねばバランスが取れない、というわけで作りはじめてみると当初に想定していたよりもずっと手間が掛かってしまいましたが、よい籠に仕上がったようにおもいます。

 

 「セミオーダーの竹籠づくり」という表題をつけましたので、最後に写真をもう一枚。


セミオーダーの竹籠づくり
セミオーダーの竹籠づくり