サザエさんと竹籠。ブログ展『机上の籠』

 今朝は凄まじい台風でした。風雨の中の選挙も重なって慌ただしい週末となり、お疲れのことと存じますが、皆様ご無事でしょうか。

 

 本日より、ブログ展『机上の籠』を再開させていただきます。きょうは籠に本を入れました。文庫本の『サザエさん』第1巻(長谷川 町子 著、朝日新聞社)です。

 

 籠のバランスとしては、文庫本のサイズに対して縦の長さよりも横幅の比率が少し大きめのずんぐりした形になっています。籠の詳しい寸法や価格については、初日の展示をご覧ください。


机上の籠と『サザエさん』文庫版 第1巻
机上の籠と『サザエさん』文庫版 第1巻

 戦後すぐに物語のはじまった漫画版のサザエさん初期には、キャラクターの体のバランスがずっと縦長であることだけでなく、今とはかけ離れた素朴な暮らしぶりと、少しずつ海の向こうから入ってくる異文化が摩擦を生じつつ徐々に浸透してゆく様子がよく描かれています。

 

 平屋の借家の庭にある井戸から鉄瓶に水を汲み、炭と火鉢にあたりながら、じっくりと湯の沸くのを待つなど、現代の価値観では趣味的で相当の贅沢とも言える暮らしぶり。調度品や道具の多くは木製、竹製、和紙といった具合で、人工的・化学的な素材で作られた品はごくわずか。家屋も含めてほとんどすべて天然素材に囲まれた暮らしは、今とはまさに正反対です。

 

 あらためて、現在の身の回りにある品を眺めてみて、素材の一部にでも自然素材が使われているものはそれほど多くありません(いや、ほとんどない)し、まして日本産の天然素材を主に用いて、かつ日本国内で作られているものなど、よく考えてみたら絶滅危惧に近い希少なものだとおもいます。

 

 そうした仕事に携わっている自分自身も、ついそのことを忘れていました。当たり前すぎて意識すらしない "Made from Japan" " Made in Japan"が、実際の社会ではまったく当たり前ではない社会になっている、そうした中で時代に逆行する仕事をして、それがいつまで続くか分からないことを、ときどき思い出して自覚すべきかもしれません。(農産物なども当たり前にパクパク食べていますが、あらためて本当にありがたいですね)

 

 あすは火曜日。「ときにはしくじることもあり、ちょっぴり悲しい時もある。だけど、だけど明るい私はサザエさん」というわけで、ブログ展は後半へつづきます。