細い竹から得た幅広の竹ひごで籠を編む

 

 あしたで12月がはじまって2週間が経過することになります。早いですね。

 

 竹籠を編むのには、幅広の竹ひごや細い竹ひごなど、厚みも含めてさまざまの寸法の竹ひごを用います。竹ひごはどこかから購入するのではなく、作者がみずから竹を割って作りますので、物理的に許される範囲内で好きな寸法に仕上げることができますし、またそうする必要があります。

 

 出来上がった籠を写真に撮ると、同じ幅の竹ひごで同じように編んだ籠は一見同じに見えます。写真ではなく実物を並べると、そこに違いが見えることがあります。手にとってみると、さらに違いがはっきりします。

 

 その原因はいくつもあると思いますが、もとの竹の太さによって生まれる竹ひごの断面が描く曲線の差が、そのひとつであるかとおもいます。


竹ひごの断面は弧を描く
竹ひごの断面は弧を描く

 おなじ幅の竹ひごをつくる場合には、できるだけ太い竹を用いたほうが、より平たい竹ひごができます。平たい竹ひごを用いるほうが素材づくりの作業効率の点でも、いわゆる歩留まりの面でもメリットが多くあります。

 

 基本としては、上に記したとおりなのですが、基本がいつでも正解とは限りませんので、時として細い竹で幅広の竹ひごを作ります。

 

 効率の点では不利になりますので、それを踏まえた上でなお成立するよう制作に臨む必要があります。

 

 仕事をする上で、仕事が成立するだけの効率について配慮することは大切だとおもいますが、効率を追求してゆくと、そもそも竹籠を手作りする仕事自体が職業としては論外であるような気もしてきます。

 

 こうしたことは仕事をつづけてゆくうえでの、永遠のテーマともなろうかとおもいますが、このところの私は効率の外にある価値について、より強く意識するようにしています。