竹の籠、竹の縁に竹の釘

 

 編み上げた竹籠に竹の縁を仮止めして、針金を切りながら籐で巻きます。竹の縁には合わせ目があり、この籠の場合には竹釘を打ちます。

 

 比較的、手のかかる縁の仕上げ方をしていますので、竹釘を打たなくてもおそらく問題ありませんが、念のために打ちます。(小さくて繊細な籠の場合には、釘を打たないほうがよい場合もあります)


竹の籠に竹の縁を付け、竹釘を打つ
竹の籠に竹の縁を付け、竹釘を打つ

 ふだん、特別に意識をすることもないのですが、なかなか合理的な組み合わせだと思います。

 

 竹を薄く細く割いて籠を編み、今度は幅広で肉厚に整えた竹で縁を付ける。縁の合わせ目に打つのは竹の釘。すべて竹でできます。もちろん、それぞれの部位に適した竹は、べつべつの性質の竹ではありますが。

 

 竹と竹で組み合わせてゆくのであれば、素材の経年変化に違和感が少ないことはもちろん、制作工程で用いる道具も同じ道具を使うことができる利点があります。

 

 もっとも、全体の工程を考えれば......丸い筒状の竹から、厖大な手間を掛けて竹ひごを百本、二百本とつくりだして、わざわざ割ったものをまた編む、この長い工程が「合理的」とはまったく思えないのですが、非合理な仕事の中にある、ものとしての合理性を手間の話をいったん忘れて感じるところです。