15年と竹工芸

 五月下旬の東京は真夏のような暑さ。そろそろ熱中症に気をつけて過ごしたいものです。

 

 数日前に、竹工芸の道を歩みはじめてより丸15年を迎えました。数字に特別な意味はありませんし、このタイミングでみずから何かを変えてゆこうといった考えもとくにありません。5年前、10年の区切りの前後にはそれなりに考えたものですが、5年後の今は少々ちがいます。

 

 とはいえ、みずから変えようとは思わずとも、自分の意思や願望を越えて、周囲の環境、条件が変わってきたことを感じますし、変化に応じる形で自分が変わらねばならないという、外からもたらされる変化のタイミングであることを、ひしひしと感じてもいます。

 

止まったままの腕時計は祖父の形見の品
止まったままの腕時計は祖父の形見の品

 ここ数年は、求めに応じて仕事をするという傾向がありましたので、その点では流れに変わりはないながら、もう少し多くの形、大小さまざま、多層において、仕事の前提となる大きな条件が日々刻々と変化していることを、以前よりもつよく感じます。

 

 竹籠や竹の道具をつくる仕事、竹工芸の仕事はフリーランスに属する自営の仕事で、ひとりで好きなようにやっているように外からは見えるかもしれませんが、実際には細かな条件の積み重ねでギリギリ成立するかしないか、小舟で大海を航海するような際どい仕事です。(仕事はすべてそうだとおもいます)

 

 ひとりの仕事は小さなヨットのように小回りが利く一方で、巨大な商船の船団のように多くの積荷を乗せて大きな速度で大きな仕事をすることは難しいものです。

 

 そうした限界も見えてきたところで、自分の力の中で何ができるか、私にしかできない私がなすべき仕事は何なのか、とるべき航路をよく見定めて次に進む今後になりそうです。

 

 16年目もどうぞ宜しくお願い申し上げます。