何処か、誰かに残された仕事

 

 一月十日は風の日でした。

 

 竹林の地面の上に生えている長い竹の稈を伐り取ると、竹の切り株が地上に残ります。この切り株は何年、何十年と残ることもあり、なかなか朽ちることがありません。

 

 小さな竹林の足元に、古い切り株が残されていました。いつか誰かがここで仕事をした名残の切り株。


足元に誰かが残した古い竹の切り株
足元に誰かが残した古い竹の切り株

 切り株の断面を境にして、片方は誰かが持ち帰り、もう片方がここに残されます。

 

 どこかへ旅した片方の断面は、どこかで籠に生まれ変わったか、または箸としてつかわれ、あるいは土に還ったか、受け継がれた民家の茅葺きの屋根を支えているかもしれません。

 

 人が竹を介して生んだ形は、作り手の名が忘れ去られても、どこかにずっと残りつづけます。