基本の技術を見つめ直す|竹工芸の日日をつくる

 

 竹工芸家として、ことしは一段上のレベルを目指したいと記しました。これまでも坂道をゆっくり登ってきたとは思っていますが、ここから先は階段のように一段ずつのぼるべき道であると感じています。段差は大きいですが、一段のぼることができれば、二段三段とつづくはずです。

 

 頭で考えることはさておき、実際にやることは体を動かして形をつくることです。体の動かし方というのは習慣で、その習慣を見直し、さらに繰り返すことで、あたらしい自分ができるだろうと思います。

 

 初心にかえって、基本の技術を一から意識し直す、この当たり前にして地味な取り組みをあらためて。

 

 作業中の様子を写真に撮るのは、なかなか実際には面倒というか、あまりやらないことなのですが、撮影してみると客観的に見直すことができるようです。その一部分の抜粋になりますが、煤竹を割って竹ひごをつるく工程を載せておきます。

 

 つぎの個展には、ご要望の多い煤竹の茶筅筒をいくつか用意できるようにと、その下ごしらえを。


鋸で煤竹の端を落とします。台を置いて水平に
鋸で煤竹の端を落とします。台を置いて水平に

煤竹の筒を半分に割ります。木の台に置いて、鉈と木槌で
煤竹の筒を半分に割ります。木の台に置いて、鉈と木槌で

煤竹を細かに割るための目印をつけます
煤竹を細かに割るための目印をつけます

煤竹を細く裂いて、薄く剥ぐことを繰り返します
煤竹を細く裂いて、薄く剥ぐことを繰り返します

煤竹を薄く剥ぎます。この後さらに薄く細く、幅や厚みを整えます
煤竹を薄く剥ぎます。この後さらに薄く細く、幅や厚みを整えます

 私が定番としている煤竹の菓子切り「ささのは」をはじめ、削りの仕事はシンプルな工程です。形を見ながら削ることと、刃物を適切に研いで調整すること、これを交互に行って、一本ずつを仕上げます。

 

 籠づくりはもう少し複雑で、素材づくりの段階から複数の刃物を使用します。そうして多数の素材を均質に整えて、それを破綻なく編み、組み、仕上げを行います。

 

 すべての工程について意識し直すことで、改善すべき点は多く見つかるはずです。