煤竹のペーパーナイフが完成しました。右利きでも左利きでもつかえます

 

 3月ははやくも中旬となりました。暖かくなったり寒くなったり、ことしは花粉の飛散も多めのようで、せっかくの春とはいえなかなか辛い季節ですね。

 

 かれこれ一年ほど、水面下で試行錯誤していたものが、先日ようやく形になりましたのでお知らせいたします。それは煤竹のペーパーナイフです。

 

 大きなもの、小さなもの、持ち手の形、刃の形、刃のつけ方、厚みや幅、そして竹の種類と、いろいろ行ったり来たりしながら、けれども「コレ」という形にはなかなか至らず、何度か暗礁に乗り上げて、やや諦めかけていました。

 

 が、小さなきっかけを得たことで、私ならではのペーパーナイフの形を定めることができました。


左がペーパーナイフ、右が菓子切り。いずれも煤竹
左がペーパーナイフ、右が菓子切り。いずれも煤竹

 わたしが普段からお世話になっている吉祥寺のお店、OUTBOUNDの店主 小林和人さんには、お店でお取り扱いいただいている菓子切りを納めに伺いつつ、ペーパーナイフの原型を持参して意見を伺っていました。

 

 なかなか、小林さんも私自身も満足できる形には至らぬまま、我ながら腑甲斐なくおもいつつ2017年を終えようとしていたところで、OUTBOUNDのお客様よりのリクエストを小林さんからいただきました。

 

 すでに定番となって久しい煤竹の菓子切り「ささのは」の形と寸法で、左右両用のペーパーナイフを作れませんか、というお題です。

 

 「ささのは」の形は、あくまで菓子切りとしての形でしたので、そのままペーパーナイフにはならないと分かっていましたが、いろいろの形を試してから改めて菓子切りを見つめてみると、少し手を加えれば出来そうな気もします。

 

 さっそく、そこから改めてスタートしてみると、ほどなく「コレ」という形になりました。灯台下暗しというか、コロンブスの卵というか、自分でも納得できる仕上がりになったナイフを持参すると、小林さんもすんなりO.K。

 

 定番にするにはやはり菓子切りよりも大きい方が良いですね、という点でも意見が一致し、ふたたび何種類かの寸法を試して定番の形とし、最初の品を先日お納めしてきたところです。

 


煤竹の先端を細く仕上げて、手紙の開封に使える形に
煤竹の先端を細く仕上げて、手紙の開封に使える形に

すべて煤竹のペーパーナイフで切った紙の切れ端です
すべて煤竹のペーパーナイフで切った紙の切れ端です

左手でも小さな切片をさらに細かく
左手でも小さな切片をさらに細かく

 いちばん上の写真では、懐紙を切りました。繊維の長い和紙でも、このペーパーナイフでは十分に切ることができます。

 

 2番目の写真ではレターオープナーとして手紙を開封しました。

 

 3番目、4番目の写真ではどんどん細かく、左右の手で紙を切ってみました。小さいほど切りにくくなりますが、しっかり切れます。


右が菓子切り、左の2本がペーパーナイフです。いずれも煤竹
右が菓子切り、左の2本がペーパーナイフです。いずれも煤竹

 菓子切りについては「ささのは」を基本に「月雲」や「夕星」も数量限定で削ったりと、三種類をつくっています。新たに生まれたペーパーナイフには、とくべつな名前は今のところありません。しばらくのあいだは、名もなき道具として少しずつ皆様のお手元に、座右にと届いて、その用に徹することになるでしょう。

 

 素材は菓子切りと同じく、百数十年を経過した古材の煤竹です。

 

 現在、お取り扱いいただいているお店は吉祥寺の"OUTBOUND"さんのみです。また、次回の個展を西荻窪のギャラリーで4月13日から三日間行う予定で準備をしておりますので、そちらでも少し展示できるかとおもいます。

 

OUTBOUND アウトバウンド

東京都 武蔵野市 吉祥寺本町2-7-4-101

営業時間:11:00-19:00 /  定休日:火曜日)

 

 ぜひ、店頭で菓子切りと見比べつつ、このペーパーナイフをお手にとっていただけましたら幸いです。

 

 

【3月のお知らせ】

 

・4月13日・14日・15日に3日間の個展を行います。

個展のお知らせの予告