菊池寛美記念 智美術館『線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸』が4月に開催

 

 来月、東京で竹工芸の展覧会が開かれます。これほど充実した竹工芸の作品群が見られる展覧会は、東京のみならず竹工芸の祖国 日本国内でも数少ない機会です。

 

 会場は菊池寛美記念 智美術館。展覧会のタイトルは『線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸』。

 

 会期は4月14日より7月16日までのおよそ3ヶ月間に及びます。これだけ長期間ならば出不精の私も見逃すおそれはないですね。ありがたいです。

 

 飯塚琅玕齋(1890-1958)は、日本の竹工芸の歴史の中では最高峰の存在、後にも並び立つ者のない天才作家と断言しても異論のないであろう工芸家です。琅玕齋は、その父 初代鳳齋と兄の二代鳳齋より引き継いだ高い技術力を基盤にしつつ、卓越した造形力、創造力を発揮して、自身の竹工芸を芸術の域に高めた人物です。

 

 大正から昭和初期にかけて東西にその名を知られたこの天才作家も、現代では日本国内よりもむしろ欧米を中心とする海外での名声が高まっており、アートコレクターの人気もたいへん高い作家です。幸い、国内にも名品が残っていますので、この機会にまた拝見をしておきたいもの。(最近ではNYのメトロポリタン美術館やメルボルンのビクトリア国立美術館で、日本の竹工芸の展覧会がありました)

 

 また、琅玕齋が東日本を代表する名工であったならば、当時の西日本を代表した作家は初代田辺竹雲斎と言われます。琅玕齋の作品がときに自由闊達な造形を見せるのとは対照的に、初代竹雲斎にみられる細密で手堅く格調高い伝統的な作品群は、西日本の先につづく大陸からの風を思わせる重厚な作風が印象的です。

 

 今回の展覧会では、この二人の大作家の作品に、その血脈を継ぐ人々の作品も加えて、7人の作家(飯塚琅玕齋・初代田辺竹雲斎・二代飯塚鳳齋・飯塚小玕齋・二代田辺竹雲斎・三代田辺竹雲斎・四代田辺竹雲斎)の作品120点余りが展示されるとのこと。それぞれの作り手が遺した「線」に触れられる、たいへん楽しみな展覧会ですね。

 


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 ところで、ちょうど本展覧会のはじまる前日の4月13日(金)から15日(日)までの3日間、じつは私自身も個展を行います。

 

 近しい人々に「こんど個展をやります」というお話をしておりましたら、この展覧会のことを教えていただきました。「同じ時期の開催にしたのですね」と言われるのですが、迂闊なことに本展覧会の情報を知らないままの偶然の結果です。これもまた運命。

 

 個展の会場は、中央線沿いの西荻窪にあるSPACE YAUPON(スペースヤポン:杉並区宮前3-35-13)です。各日12:00~19:00の全日程、全時間帯、作家である私自身が会場でお待ちしております。こちらの個展にもぜひご来場くださいませ。

 

竹工家 初田徹 個展「カタチノタネ」展示詳細