Gallery SUでの松本裕子展へ

 

 都心のとある古美術店へ、仕事に必要な素材を求めに出かけました。

 

 場所を知らなければ辿り着くことはできないであろう、都心の古いビルの一室。探偵事務所のような秘密めいた部屋で、そのブツを受け取ったのち、せっかくの機会ですから幾つかの展覧会を巡りました。

 

 そうして、ほとんどすべてのエネルギーを使い果たす一歩手前の、最後の力を振り絞って六本木まで足を伸ばしました。

 

 場所を知らなければ辿り着くことはできないであろう、麻布台の秘密めいた路地の奥、Gallery SU(ギャラリー エス ユウ)で開催されている松本裕子さんのガラスの小箱の展覧会へ。


 ふだんは「涙ガラス制作所」の名で、アクセサリーを中心に作られているそうですが、今回はギャラリーのオーナー山内彩子さんのリクエストによる、ガラスの小箱と立体作品に絞った展示です。

 

 パート・ド・ヴェールという技法を用いて作られた作品は、宝石のような複雑な光を放ち、ガラスの表面には金属や、あるいは金属とガラスとの反応によって生まれた色が、見たことのない表情を見せています。

 

 そして、これらの作品が静かにならぶ、ギャラリーSUもまた小さな宝石箱のような場所でした。

 

 ギャラリーSUが入居されている建物は、1936年(昭和11年)に建てられた木造総二階の集合住宅「和朗フラット四号館」。同館のHP(©和朗フラット四号館HP)より一部を引用しつつご紹介すると、洋館風の全8宅の賃貸アパートとして設計され、その名前には「和やかに朗らかにすごせるように」という意味が込められているそうです。(こんな風に借主のことを考えて作られる賃貸住宅は、現代にいったいどれだけあるのか......)

 

 四号館の建て主、設計者の上田文三郎氏は、京都の高瀬川沿い、立誠小学校の近くで生まれ育った人物とのこと。じつは近いうちに京都へ用事がありますので、その界隈も見学したいものです。

 

 なお、ギャラリーのオーナーさんに許可を得て、ギャラリーの入り口の部分の外観の撮影をしましたが、あらためてGallery SUのHPを見ましたところ「外観の撮影等はご遠慮下さい」と明記してありました。どうしてもここに写真を載せねばならない理由はありませんし、ご迷惑が掛かるといけませんので、ここに掲載するのは控えておきます。

 

 気になる方は、Gallery SUさんのウェブサイトをご覧いただくか、実際にギャラリーを訪ねて肉眼でご覧になってください。そのほうが秘密めいていて良いかもしれませんね。

 

 次の展覧会は、塗師の赤木明登さんと版画家の松林誠さんの合作展だそうです。そちらの機会にまた訪ねたいとおもいます。