茶杓をつくる。時には失敗も

 

 6月に入ってからは、ご注文をいただいている籠をつくることと、茶杓を削ることとを、代わる代わる並行して進めています。なかなかよいリズムです。

 

 茶杓をつくるには、竹を選び、候補となる場所を切り出して、大まかに割ってから、さらに幅や厚みを削り整えて、最初の「もと」となる素材を作ります。私はマダケの煤竹を素材に用いることが多いです。

 

 こうして支度をした茶杓のもとを火で熱して曲げ、櫂先をつくる「もと」とするわけですが、ここが難所のひとつで、折れたり割れたりといった失敗がつきもの。


折れてしまった煤竹。茶杓削りにはつきものの失敗
折れてしまった煤竹。茶杓削りにはつきものの失敗

 左の煤竹はポッキリと折れ、右の煤竹は縦に割れました。残念です。

 

 おなじ硬さならば、竹の厚みが厚いほど曲げるには難しく、かといって薄くすると縦に割れたり歪んだりしやすくなります。火に当てれば柔らかなくなり、当てすぎると脆くなる。これらの「ほどよさ」が毎回毎回異なるところがとてもやっかい。

 

 長い年月を経てきた貴重な素材を無駄にすることには罪悪感も伴い、心まで折れそうになることしばしば。

 

 これは!と思う美しい竹ほど、それを生かしきるのは難しいもの。美と困難とは互いに比例するのだと、気をとり直して、また。