竹ひごの面取りをする、しない|竹工芸のはなし

 

 竹籠をつくるための具体的な工程として、求める形を成すのに必要な竹ひごを、必要十分な量、まず作らねばなりません。

 

 適切な長さ、径、厚み、節間の竹を選んで、鉈で細く割ってゆきます。割っては薄く剥ぎ、また細く割って剥ぎます。

 

 これが下ごしらえの下ごしらえで、ここから幅を揃え、厚みを揃え、面取りをします。皮を削り落とす場合もあります。

 

 日用品の竹細工としての竹籠、実用のための製品を作る場合には、竹ひご一本ずつの面取りをしっかり行ったほうが、手触りも良く、余計なケバも取れて上等の仕上がりになります。

 

 作品を作る場合には、これも繊細な籠をつくるのであれば面取りをしたほうが品よく仕上がることが多いようです。

 

 ただし、面取りをせずに、あえて鋭い角を残すことである種の緊張感、力強さを得られる場合もあり、そうすべき場面で面取りをしてしまうと、なんとなくぬるい仕上がりになり、あとから補正することはできません。

 

 事前の想像力、そしてその想像の裏付けになる経験が多く要ります。


竹籠の素材の竹ひごをつくる。まずは鉈で|Fujifilm X-T20
竹籠の素材の竹ひごをつくる。まずは鉈で割るところから

 個人的な好みとして、面取りをした竹ひごで、なおかつシャープに形成してゆく籠作りを好んでいましたが、この頃は少し傾向が変わってきました。

 

 作りたいものの姿が変わってくれば、素材づくりの方法も、素材をつくる以前の助走も変わってきますし、ふだんの考え方やものの見方も変わります。

 

 仕事のなかのひとつひとつの選択が、私自身に与える影響は決して小さくないと感じます。

 

 

12月8日(土)より2018年最後の個展を、東京の西荻窪で催します