輪郭は生まれる 茶杓随想|2018年11月28日

 

 茶杓の輪郭について前回(茶杓随想|2018年11月27日)記しました。

 

 竹を削るまえに竹の表面に輪郭線を引くのですか?というご質問についてのこと。その答えは、いいえでした。もともとの竹の姿を見て削りを進めるうちに、およその形が見えてきます。

 

 茶杓の姿の半分は削るまえからイメージをしていて、削ってゆくうちにはっきりしてゆくというのでしょうか。頭で考えながらつよく意識して削るわけではありませんので、細かいことは自分でもよくわかりません。

 

 茶杓は造形の面白さがありますが、使う道具ですので、その姿形にはおのずから制約があります。棗などの茶器の上にのせてバランスが取れるということが、まず前提であり原則となります。

 

 重心をみながら、バランスをとりながら削ってゆくうちに、おのずと形が定まり、輪郭は生まれてきます。つまり、輪郭自体が重要というよりも、その竹にとってふさわしいバランスに削った末に輪郭はあとからついてくる、とでも言いましょうか。

 

 輪郭は描くのではなく、輪郭は生まれる。それが私が茶杓を作るときのいまの感覚です。

 

 ふたつの茶杓を。


煤竹縄文様金箔装飾茶杓|Fujifilm X-T20
煤竹縄文様金箔装飾茶杓

煤竹旅茶杓 茶箱・茶籠のために|Fujifilm X-T20
煤竹旅茶杓 茶箱・茶籠のために

 いずれも前回、荒枉げをした状態で撮影をした茶杓。それぞれに削りを進めると、このような輪郭が見えてきました。

 

 みじかいものは茶箱・茶籠に組むためのみじかい茶杓です。どちらも、仕上がりましたら来月の個展にもってゆくことになるでしょう。

 

 つづく......

 

 

個展「茶杓を削る、籠を編む」は2018年12月8日より