煤竹千筋盛器

 

 二十四節気の芒種にあたる今日、東京、関東甲信越など多くの地域が梅雨入りしたようです。

 

 梅雨を迎えるにあたって、保管している竹の整頓と清掃をしていると記しました。素材の竹だけでなく、過去に制作して仕舞ってある作品も、久しぶりに手にとって眺めてみたりもしています。

 

 下の写真は2009年に制作した『煤竹千筋盛器』。前年の2008年に制作した類作『千筋盛器』はメルボルンのビクトリア国立美術館に収蔵されていますが、こちらは手元に残してあります。


初田徹 作『煤竹千筋盛器』
初田徹 作『煤竹千筋盛器』

 2007年から、2008年、2009年と、同じ手法で年に一点ずつ合計三点の類作を作りました。一点目はほとんど試作といってよいもので、二点目からが作品です。こうして三点作ると、自分の気がすむと言いますか、ひとつ区切りがつきます。

 

 2002年に竹工芸の道を歩みはじめてから先月5月で16年が経過した、その前半の8年の年月に力の入った作品をいくつか作っています。

 

 現在であれば、同じような作品をより高いレベルで再現して完成することもできるとは思いますが、自分の焼き直しではない新しいことに挑戦して、過去の自分をじゅうぶんに上回ることは、月日を重ねれば簡単なようでいて実は難しいものです。

 

 ことし、あと二回と考えている個展で、その新しい形をものにすることができるでしょうか。