太くて大型の竹の代表はモウソウチク。現在ではもっともよく見かける品種で、スーパーで売っているタケノコのほとんどがこの孟宗竹です。主な用途は食用で、竹細工の素材にもなりますし、竹林の見栄えがよく、寺社などの造園にも使われますが、これほど増えたのはここ数十年から百年ほどのこと聞いています。
それ以前の大型のタケの代表がマダケです。漢字では真竹あるいは苦竹。根元では肉厚でありつつ繊維も緻密で、先へゆくにつれて籠づくりに適したほどよい厚みとしなやかさ、節間の長さが特徴です。工芸の素材として優れた性質を多く備えています。
根元近くは竹花入にふさわしいもので、数年、十数年と寝かせて使用します。太い白竹の根元付近の節を水平に切った写真を下に。

切りっぱなしの状態で、ここから手を加えてゆきます。
竹は真円ではなく凹凸や歪みがあり、表皮がめくれないように切るにはコツがいります。うまく切ることができると嬉しいもので、ただ切る動作もなかなか奥の深い世界だなと感じます。
節は切ってみると水平ではなく、一本ずつ、一節ずつ様相が異なります。凹型をしていたり凸型であったり、斜めだったり。切断面には細かな点状の模様があり、繊維が外側ほど密になっている様子が観察できます。
つくっているのは竹花入です。14日(金)からの個展で、展示ができるのではないでしょうか。
個展「煤竹と茶杓」は西荻窪のSPACE YAUPONにて、9月14日(金)15日(土)16日(日)の三日間、初めて茶杓を中心にしておこなう展示です。
詳細 → 煤竹と茶杓
ぜひ、ご来場くださいませ。