街路の梅見

 

 梅が咲いています。梅見というほど、意気込んで見に出かけることはなくとも、街路に咲いていれば、しばし足を止めて花を愛でます。

 

 梅の花は桜の頃とはちがって、まだ荒涼とした冬の気配の濃い中に、小さくまばらに咲きます。冬が残る景色だからこそ目に留まる小さな花です。


電線と梅、なんということのない二月の街路
電線と梅、なんということのない二月の街路

 二月の空にはだんだん雲があらわれるようになり、空気に湿り気がもどりつつはありますが、それでもまだ乾き、澄きとおっています。視界に入る太陽の光には痛みをかんじるほどに。

 

 そんな二月だから、見上げれば、淡い空色と縦横に走る電線を背景にして、黒く絡んだ枝の線、赤い花の点々とが、一枚かぎりの抽象画をそこここに描き出しています。

 

 一年のうちで、二月は最も苦手とする季節ではありますが、二月の光で見る梅は、最も好きな景色のひとつでもあります。