酒籠との再会|Growing

 

 昨年、お客様にお納めした竹工芸との再会がありました。お気に入りの酒器を収めるための酒籠です。お納めした時には内張りの裂はない姿で、お客様ご自身で手配されて、ついに仕上がった姿の酒籠をお持ちいただきました。

 

 4月の個展「Growing」のある日のことです。


竹組の酒籠 竹工芸家 初田徹 作
竹組の酒籠 竹工芸家 初田徹 作

 内張の見えない籠のままの姿では、籠の編み目の構造による装飾とその陰影を見せるに留め、漆で仕上げつつも色彩はできる限り抑えています。

 

 その酒籠の蓋を開くと......


酒籠の蓋を開いて中をちらり(竹工芸家 初田徹 作)
酒籠の蓋を開いて中をちらり

酒籠の中の宝(竹工芸家 初田徹)
酒籠の中には一杯の宝

酒籠の中に鶴(竹工芸家 初田徹)
酒籠に鶴の姿

酒籠の蓋にも鶴(竹工芸家 初田徹)
酒籠の蓋にも鶴

 「Growing」と題した個展で、美しく育った酒籠と会うことができたのは、たいへん嬉しい再会でした。

 

 自分の手元で長い時間をかけて作り上げた籠が、お客様の手の中でさらに美しい姿になること、作り手以上の愛情を注いでいただくその様子を目にすることができるのは、この仕事をつづけるなかでの得難い喜びのひとつです。

 

 籠の内側は外見よりも複雑なカーブをつくっていて、この美しい裂の絵柄を生かしながら張るのは、かなり難しい仕事だったのではと思います。丁寧な仕事をしてくださった、そのかたにも感謝。

 

 蓋ものは時間も技術も要するものですが、そのぶんやりがいのある仕事です。今年も酒籠そして茶籠をいくつか完成させたいとおもいます。