竹籠に花、心は秋

 

 猛暑の八月が折り返します。西日本では台風の被害が出ているようですが、ご無事でしょうか。立秋を迎えてしばらく過ぎても、まだ暑さはつづくようです。

 

 九月の展示へ向けて作っている籠が、だんだんと仕上がりつつあります。頭の中のイメージを、実際に花を入れてたしかめる時間は、作者自身にとって貴重なものです。展示が間近になってしまうと、なかなかその余裕がありませんけれども。

 

 花屋さんで求めたジュズサンゴを竹籠に入れて、やや涼を得ます。


細かに編んだ網代の籠にジュズサンゴ
細かに編んだ網代の籠にジュズサンゴ

一輪挿しの「網代編掛花籠」
一輪挿しの「網代編掛花籠」

 細い竹ひごを濃褐色に染め、密に編んで、もういちど染めてから漆で仕上げています。背面に籐で環を編み付けて掛け花籠にしました。

 

 よく似た籠を下にもうひとつ。

 

 すこし幅広の竹ひごを編んで、仕上げの漆とともに金箔を張り、研磨してからまた漆でコーティングをしています。


金箔装飾をほどこした一輪挿しも。『竹網代編金彩花籠』
金箔装飾をほどこした一輪挿しも。『竹網代編金彩花籠』

『竹網代編金彩花籠』
『竹網代編金彩花籠』

 写真には写りませんが、面としてある金箔と、こまかな金粉として竹ひごの面に散っているものとが、竹の編み目の陰影にもうひとつのグラデーションをつくっています。

 

 一輪挿しは定番として常につくりつづける余裕がいまはありません。展示のときに、いくつかの種類の花籠を少しずつ作る形になります。おなじものを追加で作ってくださいというリクエストをいただくのはありがたいのですが、いまはお応えできませんので、もしご興味のある籠がございましたら、会場でご覧いただいてお求め下さいましたら幸いです。

 

 九月の展示の詳細はまだお伝えできませんが、中旬に東京都内と愛知県内での展示となります。展示は個展ではないものの、それぞれ数多くの作品を展示するつもりで制作をしております。

 

 各地、多様の作家の作品と合わせてご覧いただくことで、私の仕事についてもこれまでと異なる見え方が生まれるのではとおもいます。

 

 今年も夏らしいことをしないまま、秋を迎えることになりそうです。