竹籠づくりの図面作成について

 

 これから竹籠を作ろうとするとき、まず最初にすることは何か。

 

 籠の使用目的を考え、それに適した姿形をいくつかスケッチするだとか、やるべきことはいろいろと考えられまして、何が第一かは難しい問いです。そのなかで具体的な仕事らしい作業として、図面を作ることが重要な一歩になります。

 

 頭の中で思い描いたり、実際に紙の上に描いたものを、いざ立体物の籠として作りはじめるまえに、詳しい寸法や制作手順について具体的に考えて、そのアイデアが実現可能であるかを検討する必要があります。

 

 行き当たりばったりで作業をはじめて、途中で物理的に困難あるいは完成不可能な場面に至り、そこまでの作業が無駄になるといった事態を、図面の作成によって回避することができます。

 

 いっぽう図面を作っても実物の籠は作らずに終わる場合もあります。それでは図面に費やした時間が無駄なようですが、実際に手間を掛けて竹ひごを作って、編み進めてからボツになる最悪の事態よりは救いがあるというわけです。


図面は作りたい籠の原寸で作成します
図面は作りたい籠の原寸で作成します

 図面というと大袈裟ですが、簡単なものではガイドとなる線を何本か引いただけのものから、いわゆる設計図らしい詳細な図面を複数枚用意する場合もあります。図面を描くのも読むのも自分自身ですので、自分が分かりやすいように図面を作ります。

 

 たとえば以前に作ったことのある籠をベースにして、一部の寸法を変えるような場合には、蓄積があるぶん短時間で済むでしょうし、複雑な制作工程を検討するものでは、前後の手順を考えつつ、線を引いたり消したりしながら、数日を費やすことも。そうした籠の場合には編み進めるにも一ヶ月、二ヶ月と長い時間が掛かります。

 

 図面は原則的に原寸で作成します。大きな竹籠には大きな図面が必要です。原寸で描くことで、事前におおまかな姿を想像できますし、実際の制作においても、図面をガイドにすることができます。

 

 また、その竹籠を作るためには、どのような材料、竹ひごを、どれだけの数量つくれば良いかを正確に把握することができ、逆算して必要な竹の寸法を求めることができます。しかし図面はあくまで図面であって、最終目的は竹籠を完成させることですので、実際の工程では寸法の微調整をしながら実物優先で作ります。

 

 竹籠は基本的に曲線の組み合わせで形づくるものですので、図面と実物は完全には一致しません。

 

 1辺が1メートルを超えるような図面になると、机の上では足りません。床に紙を敷いて、その上で四つん這いになって描きます。ふだん大きな図面を必要とする機会は多くありませんが、ときどき訪れる機会には、もっと広い仕事場、大きな机が欲しいなと心から思います。