長く美しい竹、十月

 

 10月になりました。長く美しい竹が目の前にあります。大きな竹籠をつくるための竹です。


長く美しい立派なマダケ(竹工芸家 初田徹 BLOG)
長く美しい立派なマダケ

 じゅうぶんな太さをもち、整った節、スラリとまっすぐに伸びた節間、そして滑らかな美しい肌の貴重な竹です。こうした竹は、ただ生やしっぱなしの竹藪からは生まれません。

 

 農家の方や園芸家の方が、作物や草木を前にして、ひと株、ひと枝に丹精込めて育てるように、この竹もまた手間暇と愛情をかけて育てられ、伐り出され、一本の材として新たに生まれた竹です。多くのかたの手を経て、いまは私の手元にやってきました。


太さも十分の竹です(竹工芸家 初田徹 BLOG)
太さも十分の竹です

 この竹をこれから私は割り、あるひとつの竹籠をつくります。

 

 貴重な材ですから、無駄にすることのないよう、慎重にかつ迅速に仕事をすすめてゆきます。10月のほとんどの時間を、この竹と過ごすことになりそうです。