煤竹花入にホトトギスを入れる

 

 十月は初旬から中旬へ。「ようやく秋らしく」と思うのは何度目でしょうか。ことしの秋はこれで本当に到来、そう思って良いのだろうかという秋晴れの日でした。

 

 壁に掛けた煤竹の花入にホトトギスを入れると、わずかな暑気を感じる日だとしても、もう秋だなという気分になります。


煤竹花入に杜鵑草(竹工芸家 初田徹 作)
煤竹花入に杜鵑草(初田徹 作)

杜鵑草の花と蕾(竹工芸家 初田徹)
杜鵑草の花と蕾

 ホトトギスの花の形や色、斑らになった模様とを、それぞれに切り離して眺めると、少々奇抜で派手な花だと感じるのですが、一歩二歩引いて花入とともにその姿を観じるときには、日本の秋の草花としてまったく違和感のない落ち着いた風情をおぼえるものです。


先ほどとすこし角度を変えて。煤竹花入(竹工芸家 初田徹 作)
先ほどとすこし角度を変えて。煤竹花入(初田徹 作)

 室内ならばひと枝に秋を感じますし、屋外の茂みの一角に群生する姿もまたよいもの。晩秋、冬にかけて草木が休眠に入るまえの、夏の名残の生命を感じることができます。

 

 そういえば、昨年見かけたあの場所に、今年も花は咲いているだろうか。