滋賀、琵琶湖行。雨と霧のびわ湖バレイへ

 

 先日、滋賀県の琵琶湖へ出かけました。かねてより訪れたいとおもっていた場所、ようやく念願かない、歴史ある土地へ。

 

 旅はあいにくの雨。自分の個展ではほぼかならず晴天に恵まれる私ですが、その代償なのか旅先では雨ばかりです。旅のスタートは東京の品川駅。新幹線で一気に京都へ入り、そこから在来線でやや戻る形で滋賀へ赴きます。

 

 まずは京都駅へ。


滋賀への道は、まず新幹線で京都へ。駅前の京都タワー
滋賀への道は、まず新幹線で京都へ。駅前の京都タワー

 比較的、最近になって気づいたことなのですが、京都駅から滋賀の琵琶湖南部までの道は想像よりもずっと近いものです。

 

 私の暮らす東京で言えば、新宿から中央線に乗って吉祥寺や東京駅まで行くくらいの感覚。在来線の鉄道でわずか20分ほどの距離です。もしも京都市内を中心に旅する目的だとしても、夜は喧騒を離れた琵琶湖畔に宿を取るのも良いのではとおもいます。

 

 ところで、琵琶湖を訪れようと思ったのは、広い景色を見たかったというのが理由のひとつ。かつて水運で栄え、日本海と畿内の主要都市とを結ぶ重要な輸送路であった、その歴史に触れたいということも理由です。そしてたいへん大きいと聞く琵琶湖の、実際のスケールを肌で感じたかったのです。

 

 日常では味わえない広々とした景色を眺め、その場に身を置くことが、竹工芸家としての今後の創作にも生きるのではという期待も。

 

 雄大な琵琶湖を存分に眺めるには高いところから、ということで「びわ湖バレイ」へ向かいます。ここでも天気はあいにくの雨......まったく日差しがなくコントラストの低い景色ですが、晴れていれば絶景でしょう。


びわ湖バレイへ向かうロープウェイより
びわ湖バレイへ向かうロープウェイより

 琵琶湖の西部を走る湖西線の志賀駅からバスで打見山の麓、びわ湖バレイの入り口へ。そこから日本最速というロープウェイで打見山の山頂(1,108m)までは、わずか4分で移動することができます。

 

 ご覧のように、ロープウェイは雲の中を突き抜けてゆくのですが、小雨のこの日は、湖上もふくめて雲というよりも霧がかかっており、肝心の景色はよく見えませんでした。霧もまたよしと気を取り直して頂上へ。ときどきは霧の向こうにうっすらと琵琶湖が見えます。


霧の向こうに琵琶湖南部が見えます。ロープウェイより
霧の向こうに琵琶湖南部が見えます。ロープウェイより

すれ違うロープウェイの車体に「BIWAKO VALLEY」の文字
すれ違うロープウェイの車体に「BIWAKO VALLEY」の文字

 ほどなく到着した山頂は、ロープウェイを降りた途端にすさまじい強風が吹いており、雨と霧とで、視界もほとんどありません。

 

 悪天候ではありますが、なかなか東京では出会えない天候に遭遇したのは、ある意味では貴重であり、ラッキーというべきかもしれません。デジタルカメラは念のためバッグに仕舞って、アナログのフィルムカメラで何枚か写真を撮りました(未現像)。

 

 びわ湖バレイは、打見山から蓬莱山にかけての一帯がリゾートとなっており、晴天時にはびわ湖テラスから琵琶湖と青い空とを一望することができるそうです。若い観光客のかたの姿も多く見られました。

 

 濃霧のこの日は、残念ながら山頂からはまったく琵琶湖が見えませんでしたが、それはそれで私にとっては貴重な体験となりました。霧の足元にはたくさんの水仙が見られます。

 

 なお、山頂が悪天候であることと、それゆえに景色は期待できない旨は、ロープウェイの乗車前に券売所でしっかり告げられますので、そこで引き返すことも可能です(ロープウェイの運賃は往復 ¥2,500)。

 

 なにしろ山頂は悪天候、かつ寒く、うっかり散策しようものなら遭難しかねない濃霧でしたので、あたたかい室内でビュッフェ式の昼食をとってほどなく帰路につきました。(私が訪れた時期には食事の選択肢はその場所以外にほぼありませんでした)


琵琶湖の湖畔からすぐに山。少ない平地に田畑が見えます
琵琶湖の湖畔からすぐに山。少ない平地に田畑が見えます

湖西線に沿う琵琶湖沿岸に水田。対岸の山は意外に近く感じられます。
湖西線に沿う琵琶湖沿岸に水田。対岸の山は意外に近く感じられます。

 雨は止み、ふたたび湖西線に乗り込んで京都方面へ。今回訪れたびわ湖バレイのある打見山周辺は琵琶湖の南部に近いところで、湖面の面積は小さくなっているエリアです。

 

 広々とした景色を求めるのであれば、むしろ北東部の長浜あたりから琵琶湖を望むと、広い平地とあわせて、より雄大な雰囲気を味わうことができるのかもしれません。

 

 いずれは、私の仕事である竹の名のつく竹生島とあわせて、そのあたりにも出かけてみたいと思います。今回は長年の望みのひとつを叶えることができた、そのことに満足します。

 

 余談ですが、しばらく山頂の霧の中で過ごしたためか、その後の数日間の私はいつもよりも皮膚に艶というか潤いがあるように感じました。個人的には美容は関心の少ない分野ですが、山頂の霧がなんらかの作用をしたのでしょうか。