東京の自然風景|梅雨明けのような五月

 

 五月の前半、東京では気温が上下しながら空模様も不安定でした。それほど晴れの印象のないわりには乾いていて、川の水位も下がりがちです。

 

 五月下旬になると気温が一気に上がり、全国的に真夏のような陽気。梅雨明けてすぐの七月のような強い日差しと、それでいて湿気のないカラッとした暑さが共存する、ここ数日です。

 

 小さな森へ。


二羽のカラス。野鳥たちは子育ての季節です
二羽のカラス。野鳥たちは子育ての季節です

 住宅地の隙間からは渡りの野鳥の姿が消えて、いま見かけるのはカラス、スズメ、ムクドリとハトくらいのものですが、小さくとも雑木林へ出かけると、シジュウカラやコゲラの姿も見られます。そしてカッコウの鳴き声も。

 

 頭上、足元、目線の高さ、それぞれにたくさんの生き物がおもいおもいに過ごしています。


雑木林の足元に群生するユキノシタの花(Fujifilm X-Pro2)
雑木林の足元に群生するユキノシタの花

日陰に羽を休める白い蛾はキアシドクガでしょうか
日陰に羽を休める白い蛾はキアシドクガでしょうか

 雑木林の足元に広がる湿った日陰にはユキノシタの群落があり、ちょうど小さな白い花を咲かせています。丸く平らに広がる濃い緑の葉と、可憐な花とが対照的で、ゆれる木漏れ日がときおり花を照らします。

 

 目線の高さの新緑の葉裏には白い蛾。キアシドクガが続々と羽化しています。名前は毒蛾であっても、実際には毒をもってはいないようです。数十、数百と日なたと日陰のあいだをヒラリヒラリと舞うさまは、この世ではないどこかのような景色。

 

 こうした風景も一週間後にはまたすっかり変わって、季節は止まらずに進みます。東京の梅雨入りも遠くはなさそうです。