竹工芸と17年。18年目へ

 

 私が竹工芸の道へ進むことに決め、その歩みをはじめたのは2002年5月のこと。あれから丸17年が経過しました。

 

 20代のはじまりだった私は30代をまもなく終えようとしています。早いような長かったような不思議な気持ちがします。


古材の煤竹。(Fujifilm X-Pro2)
古材の煤竹。仕事場で付き合いの長くなった竹も

 年々、あたらしく考えたり手を動かしたりして挑戦することはありつつも、根っこのところの私は17年間あまり変わっていないようにおもいます。

 

 根本的には私は古典的な美、日本の歴史から生まれた美、その背景にある自然、風土があらわす美、それらにつよく惹かれ、ときに嫌気をおぼえながらも、またそれ以上に好んでいるようです。

 

 特定の個人や組織が意図してこしらえた伝統ではなく、自然と積み重なり形になった伝統、いやおうなく滲み出る何か尊きもののうえに、私もまた歩みをつづけてゆこうとしています。結果としていつかそれがまた伝統の一部になるかもしれないと、ときどき感じながら。


煤竹の菓子切り(Fujifilm X-Pro2)
日日、つづける基本の仕事。煤竹の菓子切りづくり

 まだまだ途上ながらも17年間、竹工芸という道をよく歩みつづけられたものだとおもいます。

 

 やめる理由をさがせば幾らでも見つかる道ですが、つづける理由をよりつよく見いだすことができるのは、やはり私の仕事を求めてくださる方、手にとってくださる方がいらっしゃるからです。

 

 私はさまざまの方のお力を借りながら、個人の作家としてものづくりをしています。それでこそ求めていただけるのだとおもいます。ですから今後も個人として、自分の欲するところ、皆さまの求めてくださるところとを大事にして活動をつづけます。

 

 それをつづけることで、いつかは個人としての私を越えて、大きな伝統の一部になる日が来るかもしれないと、心の片隅におもいながら。

 

 18年目もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

竹工芸家 初田 徹