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竹組酒籠の完成

 

 5月は晴天の夏日からはじまりました。行楽日和ですが、ひきつづき自粛・自重の日々です。

 

 昨日、オンライン展のお知らせをいたしましたが、並行してご注文品の制作もつづけております。竹組の酒籠(ささかご)が完成、無事にお納めいたしました。紆余曲折、難航の制作でずいぶん時間が掛かってしまいましたが、作家として満足できる籠になりました。


『竹組酒籠』竹工芸家 初田 徹 作
『竹組酒籠』初田 徹 作

『竹組酒籠』竹工芸家 初田 徹 作
『竹組酒籠』初田 徹 作

 酒器を収めるための籠。今回はぐい呑みではなく、浅い盃のための籠です。仕上がるとシンプルなものですが、こうした蓋物にはいつも苦労します。とくに浅い籠では、蓋と身をうまく合わせて、かつ見どころのある姿に仕上げること、器や裂などとの調和、そうしたすべての要素を満たすのが難しいものです。

 

 下の写真では、およその寸法がお分かりいただけるでしょうか。茶道具の茶籠・茶箱よりもひと回りふた回り小さなサイズです。


『竹組酒籠』竹工芸家 初田 徹 作
『竹組酒籠』初田 徹 作

『竹組酒籠』竹工芸家 初田 徹 作
『竹組酒籠』初田 徹 作

 蓋物の籠は、内張の裂や紐を合わせる楽しみもあり、また器を包む布や袋、籠を包む袋、風呂敷など、内外の取り合わせの楽しみがあります。作り手としては、そこがまた難しいところでもあり、仕事のたのしみのひとつでもあり。

 

 私自身は実はお酒が飲めないもので、自分で使う楽しみはありませんが、お客様の手で魅力的な器と組み合わせていただく様子を想像しながら作ること、また完成後に実際にお使いの様子を拝見することは、下戸の私にも無上の喜びとなります。茶籠でもそうですが、蓋物には不思議なワクワクする感覚があります。

 

 酒籠、茶籠といった箱型の籠づくりは、これからますます力を入れてゆきたい仕事です。残念ながら、それらを展示する機会が失われていますが、作ったものはいずれご覧いただけるものと考えて、めげずに少しずつ進めます。

 

 

 昨日は久しぶりのブログの更新になりました。いつもご覧くださり、ありがとうございます。予告いたしましたオンライン展は、数日のうちにはじめることができるとおもいます。