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日本橋三越での旅茶杓の講座に、ご参加ありがとうございました

 

 こんにちは。師走は、はや十日が過ぎようとしています。

 

 日本橋三越さんでの講座『旅茶杓をつくろう』を無事に終えました。ご参加くださいました皆様、どうもありがとうございます。本講座が私にとっては今年最後の催事で、無事に終えることができ、ホッとしています。

 

 下の写真は下拵えを済ませた茶杓の素材です。古材の煤竹を割り、削り、火で曲げて固定をした状態で寝かせ、そこから小刀でまた削ります。六~八割ほどまで削った状態から、素材を選んでいただき、3時間の講座でご参加者様それぞれの茶杓を仕上げていただきました。

 

 手を動かして「つくる」営みは、完成品としての茶杓を生み出すと同時に、その工程を通じて茶杓の姿を手と目でより詳細に観察する習慣に繋がります。今回の講座は鑑賞を主目的にしていませんが、つくる経験が、ご参加者様のこれからの茶道具、美術品の鑑賞にとって何らかの助けともなりますように。

 

 講座のための下拵えをしていると、私の手が勝手に完成を目指すこともしばしば。手を動かすことと同時に、手を止めることにも意識が必要です。

 

 ご参加いただいた皆様に、なるべくお好きな竹を選んでいただけるように、素材は多めに準備しています。


講座のための茶杓の下拵え
講座のための茶杓の下拵え

日本橋三越前、晴天の交差点にて
日本橋三越前、晴天の交差点にて

 当日は晴天で、気温も温暖。一日限定の講座や期間の短い展示では、好天に恵まれるのはありがたいことです。講座では今回もそれぞれの個性を反映した茶杓を仕上げていただきました。

 

 カメラを持って行ったのに、会場で皆さまの茶杓を写真に収めるのを忘れてしまいました。講座の最中は、説明や実技に夢中になってしまい、写真を撮るのを忘れがちです。。。

 

 今年ははじめて、夏・冬と年に2回の茶杓講座を行いました。少人数での講座で、ご参加のご希望に添えなかったこともございますが、来年また機会を設けることができればと考えております。ときどき、ウェブサイトやSNSを覗いていただければ幸いです。

 

 年越しまでは、あと二十日ほど。年末まで仕事をすることになりそうですが、人前に出る機会は無事に終えることができました。

 

 今年はいつも以上に緊張を強いられる一年でした。精神的、肉体的な疲れが蓄積しているのも確かで、うまく緊張をほぐす手段も用意せねばと、このところ感じることがしばしば。安全を第一にしつつ、緊張と、その緩和とのバランスをとりながら、よい年を迎えたいですね。