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無題の日記|雨 9月1日2021年

 

 9月になりました。東京は雨で肌寒い日、はや10月並みの気温だそうです。日本列島は前線の南北で季節が夏と秋とに分かれている様子。

 

 昨年、今年と、夏の記憶がほとんどありません。夏はもちろん、ほかの季節の記憶も曖昧で、この一年半ほどのあいだ仕事以外に何かしていただろうかと、ポッカリと記憶に穴の空いたような状態です。

 

 実感のないまま空気だけが入れ替わり、冷酷に季節が進みます。

 

 

 仕方のないこととはいえ、この先もまだまだ続く可能性を考えると、自分の創造性への影響、あるいは生きる力そのものが少しずつ揺るがされるような不安も覚えます。


雨滴と草花

 毎日毎日、つづく灼熱の季節はいったん終わりを迎えて、なだらかな抑揚、情緒ある季節に移りつつあることは、環境の変化のない日々において、せめてもの救いと感じます。夏の始まりに延々と降りつづいた雨のような、災害を伴う天候にはならないことを祈りつつ、いまは次の季節の到来に救いを求める、すがるような気分です。

 

 雨の路傍の写真を掲載します。このところしばらく、ブログを更新する気力も不足気味でしたので、今日は写真を多めに。

 

 雨とマスクとで曇った、曖昧な季節の曖昧な景色を、少しだけ時間をかけて記録することで、今日の記憶が少しだけ鮮明なものになることを期待して。


サルビア?青い花

いが栗

カエデ

アセビ

ミズキ

桜の落ち葉と地面の苔

コケのクローズアップ

 (メモ:サルビア?、クリ、カエデ、アセビ、ミズキ、サクラ、コケ類、雨滴)

 

 

 例年であれば新緑の頃は一年のうちでもとくに過ごしやすく、何かがはじまる予感に、生き生きとした気持ちになる季節です。残念ながら昨年も今年も、新緑を味わうこともなく夏に。真夏の止まることなき緑の勢いには、癒されるよりもむしろ気圧されるような、息苦しい感覚をおぼえます。

 

 ようやく秋を迎えることで、すぐに終わりの季節が近づく心寂しい気分はありつつも、自然のエネルギーと自分のエネルギーとがなんとか均衡できる状態が訪れる、そのことに小さな安堵を覚えているところです。