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茶杓に銘をつける

 

 茶杓に銘をつけることについて、しばらく遠ざかりました。

 

 そして、ふたたび銘をつける機会がときおり。


煤竹旅茶杓「宙」(共筒) 竹工芸家 初田 徹 作 (売約済み)
煤竹旅茶杓「宙」 初田 徹 作 (売約済み)

 銘からいったん離れたのは、根本的には作り手としての慎み、または畏れから。ほかの諸道具、作家としての制作物の場合と比べてみて、とりわけ茶杓においては、銘をつけることが意味を持ちすぎることに対して。

 

 いったん離れて、しばらくの時間経過と多くの機会を経て、また新たに銘との関係性が生じてきました。


煤竹旅茶杓「宙」 竹工芸家 初田 徹 作 (売約済み)

 ひとつには求められる機会、外からの要請によって。もうひとつには自分の内での言語化についての意識の変化、出力の試行があります。

 

 人との関係性から生まれる言葉、あるいは言葉から生まれる関係。いまはそれらを楽しみながら。