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お盆と近況、煤竹中国茶杓

 

 ご無沙汰を致しております。こんにちは。

 

 2022年のお盆を迎えています(東京のお盆は先月でした)。とても長かった夏から台風の季節になって、だんだんと秋の空気に変わるのでしょうか。去りゆく夏を振り返って、いつものように名残惜しい気持ちにならないほど、暑い夏でした。


2022年夏の空と雲

 元気にしています、という近況のご報告だけ。

 

 春から初夏にかけての展示を終えて、先延ばしにしていたことや、環境の変化など色々あったところまでは予定通り。そのほかに予期せぬ出来事がつづいたりもして、落ち着かない状態がつづいています。

 

 今までにない暑さや延々とつづく長い夏も予期せぬこと。今後はこの暑さが当たり前になってしまうのか、できればそうならないで欲しいと祈るばかりです。


煤竹中国茶杓(制作中)初田 徹
煤竹中国茶杓(制作中)

 写真は煤竹中国茶杓、制作中の姿です。外形はほとんど仕上がっていますが、完成はしばらく先です。

 

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 大学を出てからずっとお盆休みや夏休みとは無縁で、基本的には日常と代わりなく淡々と仕事をしています。それでも夏のこの時期には独特の空気があり、ご先祖さまが近くにいるような気分になります。

 

 ご先祖さまをお迎えするべき時期に、仕事をしているのはほんとうはいけないことのような気もします。

 

 もっとも、新暦に合わせた東京のお盆は7月で、それはそれで東京らしい気もするのですが、いったいどちらのお盆にお迎えをするのか、新暦と旧暦の齟齬をもっとも感じるのがお盆だというのは子どものころから変わりません。


桜の葉、蜘蛛の巣に捕われる夏

 どこへも出かけない夏は、自分にとっては新型コロナ禍以前からのこと。海や山へ連れて行ってもらった子どもの頃の思い出を、ときどき反芻するだけでも、それなりに心が安まります。

 

 子どもの頃にじゅうぶんに遊んだ時間、遊んでもらった時間が、のちのちまでの宝になることを考えると、難しい状況になってしまったこの数年がもたらす未来については心配になります。とはいえ、おとなの心配と子どもの実感には案外隔たりがあるものかもしれないな、とも。

 

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 令和の東京、日常の真ん中で、住宅地の小さな緑地から迷い出たクワガタやカブトムシと偶然に出会うことが今年もありました。子どもの頃の景色、あるいはもっと昔の風景を思い浮かべて、気持ちは夏休みのようです。