こんにちは。遅い春一番がやってきて、町の空気が入れかわったようです。
寒かった冬のせいか、草花の時期も少し遅れて、もうおしまいと思っていた梅がまだあちこちで蕾を付けています。道を歩いていてどこからともなく届く梅の香りは、寒い冬に耐えた褒美のようです。
次の展示に向けて制作中の籠に、菜の花を入れました。すべて制作途中ですので籠にオトシは入っていません。
![細身の竹籠に菜の花 竹工芸家 初田 徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s322cb8739deb5d3c/image/i6e587cc6a8a3634c/version/1646886576/%E7%B4%B0%E8%BA%AB%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0%E3%81%AB%E8%8F%9C%E3%81%AE%E8%8A%B1-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0-%E5%BE%B9.jpg)
![細身の竹籠に菜の花 竹工芸家 初田 徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s322cb8739deb5d3c/image/i923b2efb2bba5ef6/version/1646886717/%E7%B4%B0%E8%BA%AB%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0%E3%81%AB%E8%8F%9C%E3%81%AE%E8%8A%B1-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0-%E5%BE%B9.jpg)
私が花の器としてつくる籠は、多くの場合、拭き漆で仕上げます。長いあいだお使いいただくための耐久性を考えてのことです。
漆を用いない場合に比べて、光や水気が籠に与えるダメージを軽減できることを期待しています。とはいえ自然の植物繊維、植物樹脂ですので、光や水気はなるべく避けるのが吉ではあります。
![六つ目編みの竹籠に菜の花 竹工芸家 初田 徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=646x10000:format=jpg/path/s322cb8739deb5d3c/image/i5fea696583b8bf03/version/1646886722/%E5%85%AD%E3%81%A4%E7%9B%AE%E7%B7%A8%E3%81%BF%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0%E3%81%AB%E8%8F%9C%E3%81%AE%E8%8A%B1-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0-%E5%BE%B9.jpg)
![六つ目編みの竹籠 竹工芸家 初田 徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=646x10000:format=jpg/path/s322cb8739deb5d3c/image/ie6e56d15354577c0/version/1646886701/%E5%85%AD%E3%81%A4%E7%9B%AE%E7%B7%A8%E3%81%BF%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0-%E5%BE%B9.jpg)
![小ぶりの竹籠(制作中) 竹工芸家 初田 徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=646x10000:format=jpg/path/s322cb8739deb5d3c/image/i6b5170064ad90fc2/version/1646886768/%E5%B0%8F%E3%81%B6%E3%82%8A%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0-%E5%88%B6%E4%BD%9C%E4%B8%AD-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0-%E5%BE%B9.jpg)
このところ、十五年ほども以前に作っていた籠を原型に、それを自分の中で改めて見直したうえで、新しい籠の形にしています。
昔つくった籠を見て、自分で良いなと思うところと、改めるべきところが見つかります。
また、もしも同じ籠を作ることを考えた時、時間の経過と時代の変化によって私自身が変わり、もの作りを取り巻く環境が変わったなかで、いま同じ籠を作るのは多くの場合には難しいことだと感じます。
私の仕事は作業としては一人で行うものですが、世の中の仕組みが無事に保たれている前提で成り立つ仕事です。今までと同じ、ということは年々難しくなっていて、今後はさらに難しくなりそうです。
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あと半月ほどすると、もう桜が開花しようかという頃です。このまま梅が咲き続けると、桜に追いついてしまうかもしれませんね。