新緑の頃から始まる展示へ向けた作品のひとつ、網代編みの竹籠の完成間近の様子をお伝えします。お茶の道具を収めるのに、ちょうどよい大きさの籠です。
網代編みで編み上げた籠に、火熱で竹を曲げてつくった縁を結びつけ、籠の形になったのが一枚目の写真です。角張った印象にならないよう、丸みを帯びた形に編んでおり、底の部分は少し膨らんだ姿です。この後、他の部材で外側を装甲し補強とともに安定性を確保します。
![網代編みの竹籠に縁を結びつけたところまで|竹工芸家 初田徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=666x10000:format=jpg/path/s322cb8739deb5d3c/image/ief7ded431879a228/version/1647851950/%E7%B6%B2%E4%BB%A3%E7%B7%A8%E3%81%BF%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0%E3%81%AB%E7%B8%81%E3%82%92%E7%B5%90%E3%81%B3%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%BE%E3%81%A7-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0%E5%BE%B9.jpg)
![網代編みの竹籠、一回目の拭き漆まで|竹工芸家 初田徹](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=666x10000:format=jpg/path/s322cb8739deb5d3c/image/ic684cf7d9722ac56/version/1647852000/%E7%B6%B2%E4%BB%A3%E7%B7%A8%E3%81%BF%E3%81%AE%E7%AB%B9%E7%B1%A0-%E4%B8%80%E5%9B%9E%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%8B%AD%E3%81%8D%E6%BC%86%E3%81%BE%E3%81%A7-%E7%AB%B9%E5%B7%A5%E8%8A%B8%E5%AE%B6-%E5%88%9D%E7%94%B0%E5%BE%B9.jpg)
籠を暗褐色に染め、さらに拭き漆で仕上げることで、深い色味と艶が出ます。光りすぎないようにマットな仕上げにして、編み目の陰影を引き立たせ、時代を経た籠のような風合いに仕上げています。厚めの竹ひごを用いることで、がっちりとした手応えの、立体感のある籠になります。
ここから、籠の外側に装甲を施し、ふたたび漆で仕上げます。さらに内側に和紙と裂を貼ります。ゴールデンウィークに行う展示に出品する予定です。
![春分の桜](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s322cb8739deb5d3c/image/if1e2c4110c4d665a/version/1647852553/%E6%98%A5%E5%88%86%E3%81%AE%E6%A1%9C.jpg)
本日は春分の日、東京では昨日3月20日に桜の開花宣言がありました。東京郊外でもチラホラと咲き始め、明るくなってきた景色と裏腹に気温は下がって花冷えです。
春からの展示は久しぶりの機会です。無事に開催できるよう願っています。